技術資料

ステンレス板金加工における代表的な3種類の曲げ

ステンレスホッパーの板金加工では主に3種類の曲げ方があります。
    製品の品質、加工精度に応じて加工方法を選定する必要があります。 
曲げの挙動
曲げには、「パーシャルベンディング」、「ボトミング」、「コイニング」の3種類あります。 そのうち「パーシャルベンディング」と「ボトミング」を「エアーベンディング」といいます。
曲げ圧力-曲げ角度曲線図
平らなワークに圧力を加えつつ、そのときの角度変化をプロットして結ぶと曲線が得られます。 これを曲げ圧力-曲げ角度曲線図といい、材質により曲線形状は異なります。 下図はSPCCの曲線図で、縦軸に曲げ圧力 kN(材料曲げ長さ1mのトン数)、 横軸に変形角度θ゜(成形後の曲げ角度)をとっています。
パーシャルベンディングの挙動
パーシャルベンディングのパーシャル(partial)は「部分的な」という意味で、左図に示すようにA、B、Cの3点でワークが金型と接触して曲げを行うことで、部分的とはこのことをさします。 パーシャルベンディングが典型的なエアーベンディングといわれる理由は図からわかるように、底押しではなく空気と接触した状態でワークを曲げるからです。 この曲げの特徴は、曲げ角度の範囲を自由にとれることです。 例えば角度30゜の金型を使って曲げることのできる範囲といえば、180゜から30゜までの任意の角度、すなわち直角曲げを含めた鈍角曲げから鋭角曲げまでの角度です。これが便利な曲げといわれる理由です。 パーシャルベンディングのV幅は、板厚の12~15倍がよいとされています。
ボトミングの挙動
ボトミングのボトム(bottom)は動詞形で「底に届く」という意味がです。 現場用語で「底押し」とか「底突き」とかいわれる曲げで、比較的小さい加圧力で良い曲げ精度が得られるので、もっとも多く使われています。
コイニングの挙動
コイニングの語源はコイン(coin)で、「硬貨をつくる」とか、「金属を硬貨にする」からきていて、きわめて正確な曲げ精度が得られる加工方法という意味です。 コイニングの目的は、きわめて正確な曲げ精度と、極端に小さい内アールを得ることにありますが、ボトミングの所要トン数の約5~8倍の加圧力を必要とします。

2016年2月22日

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